あらゆるジャンルのプロフェッショナルが登場し、マツコ・デラックスさんに独自の世界をプレゼンしていく、見ごたえたっぷりのTV番組『マツコの知らない世界』(TBS系列、毎週火曜日20:57〜)。
2024年11月12日に放送された『マツコの知らない世界』では、「マツコの知らないガテン系ファッションの世界」と題して、埼玉県の作業服専門店『神蔵-KAGURA-』の女社長が登場しました。
ガテン系の仕事経験があるあかり。作業服専門店に行くのがとっても楽しみだったなぁ!よく行ってたのは「弁慶」や「ワークマン」。オフィスワークしている今でも、愛用しているアウトドアウェアがあるくらいだよ🎵
『神蔵-KAGURA-』の女社長である忰山 舞(かせやま まい)さん。
岡山にある老舗の鳶服メーカー「鳶TOBI」を営むご家庭の、長女として生まれました。
舞さんのご実家である、「鳶TOBI」。
地元、岡山ではとっても有名な老舗鳶服メーカーなんだって!
(ごめんなさい、私は知らなかったわ…)
気になる彼女のバックグラウンド…。 今回は彼女をフィーチャーします!
最後までお読みいただけると嬉しいです。
忰山 舞(かせやま まい)さんプロフィール
●氏名:忰山 舞(かせやま まい)
●生年月日:1974年5月25日生まれ
●出身地:岡山県玉野市
●趣味:神社巡り、ツーリング、自然に触れること
●職歴:
1993年:高校卒業後、家業の株式会社カセヤマに入社(縫製業)
2010年7月:株式会社カセヤマのアンテナショップ店長として上京(墨田区押上)
2013年7月:株式会社カセヤマより小売店部門を分社し、株式会社丸武を設立
2015年3月:お洒落な作業服屋を目指し、埼玉県新座市にセレクトショップ「神蔵-KAGURA-」をオープン
●現職:株式会社丸武 代表取締役
●その他の活動:岡山観光特使を拝命
岡山県の南側、瀬戸内海沿岸に位置している玉野市は、美しい自然に恵まれた、風光明媚で温暖な港町。古くから造船業、銅製錬、繊維業や製塩業などで栄えてきました。
鳶服メーカー「TOBI」の長女として生まれた舞さん。
職人文化に深く根ざした環境で育ちました。
ニッカポッカを長く、太く、そしてヤンチャなスタイルに仕上げたのは、
なんと舞さんのお父さん!
ニッカポッカとは、裾が短く折り返されたズボンのことです。
日本で使われ始めた当初は、膝くらいまでの長さだったニッカポッカ。
なぜ、長くて幅広になっていったのでしょうか?
それは、鳶職人が風を体でより受け止めやすくするためでした。
橋や鉄塔などの現場では、鳶職人たちは非常に高いところに登ります。
彼らは、どの程度の風がどこから吹いているのか、自分の着ている服で感知し、安全確認をしていました。
ニッカポッカは、自分の安全を守るためのセンサーとしての役割も果たしていたのです。
短い膝丈だったニッカポッカは、職人のリクエストにより少しずつ面積を広げ、裾を長くしていきました。
それを実現したのが、舞さんのお父さんだったのですね。
とある足場鳶さんの言葉は、今も彼女の心を熱くします。
足場鳶の仕事は、他の職人が高所作業を安全に行うための足場を組み立てたり解体したりすることです。
更地の現場に仮囲いを設置し、働きやすい環境を整えるために足場を組み上げていきます。
建物が完成すると、今度は足場を解体し、仮囲いを取り除く…。
彼らが作業をした証は形として残りません。
「俺ら足場鳶の仕事って、形として残らないモンなんだよな。
だけど、ここの現場で働く人たちがより働きやすくなるための足場を組むのが、俺たちの仕事なんだ。」
…カッコイイ!大変な仕事だな。本当にすごい!
様々な現場で臨機応変に足場を組んでいくその姿は、まるで風のように流麗で力強いものです。
当時まだ19歳か20歳だった舞さんは、形には残らなくても、確かな技と心意気がそこにあることに胸を打たれたといいます。
彼女は、自分のお店を「作業服屋」ではなく「シゴト着屋」と呼んでいます。
それは、単に「作業」するための服を提供するのではなく、責任を持って働く職人一人ひとりの「仕事」を支える。
そんな情熱を込めたワークウェアを届けたいという思いからです。
鳶職の仕事は、どれだけ時代が進んでもAIに取って代わることのできないものだよね。
あかりの記憶にも、幅広のニッカポッカをなびかせながら現場を軽やかに動き回る鳶職人さんたちの姿が今でも心に残っています。
まだあどけなさが残る表情で、きっちりと仕事をこなす若い職人さん。
悪態をつきながらも楽しそうにラジオ体操をするグループ。
どれも、現場で輝く彼らの姿が今でも心に残っています。
あかりがガテン系の仕事をすることになった経緯を話させてね。
それまでは東京で派遣事務をしていたけれど、心身の不調で退職せざるを得なくなり、途方に暮れていた時、知人の誘いで北陸へ移住しました。
そしてそこで初めて、ガテン系の仕事に就くことになったのです。
更地だった場所に家が建ち、店舗ができ、人の生活が生まれるーー。
何もないところから始まり、完成するまでの全てを目の当たりにした時、何気なく見ていた景色の中に、たくさんの人の想いや情熱、技が詰まっていることに気づきました。
現場で出会った職人さんたちは、まるで家族のように温かく接してくれました。その時間や繋がりが、失っていた自分のペースを取り戻させてくれたんです。
「形には残らなくても、心には残る仕事」。
それが鳶職や職人の仕事だと、改めて感じています。
舞さんの実家「TOBI」では、ニッカポッカの生産だけでなく、小売店も営んでいました。
その直営店を舞さんが継ぎ、メーカーとしての経営は弟さんが引き継ぐことになりました。
この流れは、自分にとってごく自然な選択だったと話します。
現在、舞さんは作業服のセレクトショップ「神蔵-KAGURA-」を運営し、職人のための、おしゃれで機能的な作業着や道具を提供しています。
作業着(シゴト着)専門店、神蔵-KAGURA-とは?
作業服専門店『神蔵-KAGURA-』
2015年オープン
所在地: 〒352-011 埼玉県 新座市 野火止3-9-5
営業時間:10:00〜20:00
店休日:毎週土曜日&第三日曜日
駐車場:あり
📞 048-478-0734
なぜ私たちが神蔵-KAGURA-をつくったか
それは
街をつくる職人さんに
お洒落に街を彩ってほしいから
『お洒落に働く姿はカッコイイ』
お洒落な人が作る街は、楽しく笑顔になる
楽しく働き、笑顔になれるお手伝いがしたい
これがこのお店をつくる理由です
父が笑顔であれば
家族が笑顔になる
子供が笑顔になる
日本が笑顔になる
今日も私たちから日本をお洒落に!
日本を笑顔に!
舞さんが明るく微笑む『神蔵-KAGURA-』のサイトページには、こんな熱いメッセージが添えられています。
そう、「日本を笑顔に!」という想いは、きっと私たちにも何か行動を起こす勇気を与えてくれるものです。
舞さんや神蔵のスタッフは、お客様とのコミュニケーションをとても大切にしています。
その結果、「初めて来たお客様も、まるで常連さんのように見える」ほど温かいお店に。
お客様の声を取り入れて形にする、そんなお店なのです。
「だって、独りよがりのものを集めたって誰も買ってくれないし(笑)。
お客様が『これがあったらいいのに』という声を、積極的に仕入れに反映させています。」
それでも、服や靴には妥協しません。
舞さんやスタッフが「これ、カッコイイ!」と思ったものしか仕入れないのだそうです。
さらに、神蔵では渡されるおつりがすべてピン札。
これも舞さんの細やかな心意気が表れています。
職人さんの汗で少し湿ってクシャクシャになったお札。
「それを次の職人さんに渡すのが、なんだか私、しっくりこなくて。」
「おつかれさま」の気持ちを込めて、汚れたお札は回収し、
新しいお札で「次の活躍の場」を作るのだそうです。
「神蔵-KAGURA-」が作業服を超えた「シゴト着」を提供し続ける限り、
そこには、舞さんとスタッフの想いが詰まった新しい挑戦が生まれ続けるはずです。
「基本、働く人は広告塔。求人広告にお金を使うよりも、社員のかっこいいユニフォームに使って欲しい。
定着につながるなら、それが絶対にいいよね。
『オレの父ちゃん、格好いいぜ!』と言われる職人さんが増えて欲しいな。」
舞さんのこの言葉には、職人さんや働く人々への深い愛情と、職場環境を大切にする想いが詰まっています。
働く姿そのものがかっこよく、誇れるものになるーーそんな未来を目指す舞さんの姿勢に、心から納得です。
参考資料:YouTUBE【作業着と「シゴト着」の違いとは!】埼玉県新座市のシゴト着屋 神蔵 -KAGURA- 倉主 忰山舞さん
忰山舞さんまとめ
舞さんが運営する「神蔵-KAGURA-」は、職人たちのための「シゴト着」を提供するだけでなく、その姿勢や理念を通して、働く人々のかっこよさや誇りを支えています。
「街をつくる職人さんにお洒落に街を彩ってほしい」という想いから始まり、働く姿そのものが広告塔になるーーそんな新しい価値観を提案する舞さんの情熱は、店舗の細部にまで表れています。
職人たちへの「おつかれさま」をピン札で伝える心遣いや、お客様とのコミュニケーションを大切にする姿勢。これらは全て、「笑顔」を日本に広げたいという舞さんの想いが形になったものです。
これからも「神蔵-KAGURA-」は、職人たちの仕事を支え、その誇りと笑顔を未来へ繋いでいく存在であり続けることでしょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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